「アド運用はナンパみたいなもん」
2年半ほど業界を見て感じたこと。アフィリエイトの場合は特に。実際にナンパを要素分解するとよくわかる。
【ナンパで大事な要素6選】
- 外見
- 第一声
- 場所
- 試行回数
- 教育
- クロージング
基本これの掛け算なので、どこかが0だと成果も0に近くなる。
とにかく大事なのは
「最小のコストで最大の成果を出すには、どの数値をあげればいいか」
を考えながら成約率をあげる。その先のLTVに関しては割愛。
先ほどのリストをアフィリエイトに置き換えると
【ナンパをアフィリエイトに変換】
- 外見=広告の画像(動画)
- 第一声=広告文(コピー)
- 場所=配信面、媒体
- 試行回数=インプレッション
- 教育=記事の遷移率(LPinCTR)
- クロージング=LPのCVR
街中のキャッチにも似ている。
アドの場合1~5の数字が調整可能で、6は難しいので、
案件選びがかなり重要。
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余談
「アフィリエイター → クライアント」
のルートをたどる人も多いが、これは自分でコントロールできる領域を増やせるため。アフィのみだと外的要因に左右される。在庫切れ、予算上限で案件停止など。黒字化したタイミングでこれが発生すると致命的。
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今回は1~4の解説。
「クリエイティブテストは誰でもできる」
「バイトや外注にやらせとけばいい」
などの意見もあるが、全ての入り口はクリエイティブ。
クリエイティブ1つで遷移率やCVR、LTVも変わる。LTVが悪い場合、突き詰めると広告で呼び込むユーザーの質が悪いということ。
(動画やインフルエンサーならLTVへの影響はさらに大きい)
クリエイティブこそ最強のターゲティング
配信面、年齢、地域、性別、職業、趣味趣向、関心…
どれだけターゲットを機械で絞っても、その先にいるのは人間。適切にクリックしてほしい人にだけ刺さるcrこそ、最強のターゲティング。
そういった広告が作れると、どの媒体に配信しても効果は合う。1案件1000CV出した際も5~6媒体の合計だった。
(FB,Gunosy,popinなど)
以下、1案件でday1056CV獲得時の管理画面、コード内訳
(女性向けスキンケア商材)
(※2019/9)
画像の治りきっていないが、この日は合計37本のコードが稼働していた。多少媒体によってカスタマイズしているが、軸となる訴求や構成は同じ。ただ、もっと上もいるらしい。
しかし、クライアント視点だと方向性や狙う規模によっては爆発的に獲得するより、
LTVがいい状態で安定的に新規供給できた方が嬉しかったりする。
なので件数が全てとは言い切れない。
比較対象としてはズレているが、ユニクロのヒートテックは15年で10億枚販売なのでデイリー182,648CV。話がそれたが、ここで言いたいのは決して件数が全てではなく
「一つぶち当てクリエイティブを作ってしまえば、あとは展開して広告費を突っ込むだけの作業になる」
ということ。そしてそのためには全ての入り口である「質の高いクリエイティブ」が必須。
前置きが長くなったが、このnoteでは
「ぶち当てクリエイティブを作るためのテスト方法や、軸となる考え方」
を、事例等交えながらお伝えする。
【注意事項】
※等記事はcr特化のため、記事については一切考慮していない。効果の保証もできかねる。
※広告文の事例を載せているが、あくまで例であり推奨している広告文ではない。薬機法、審査等も関わるため、参考にする場合は自己責任で。
ここでは簡単に済ませる。
アド運用15人、通販10人、アルバイト含め30人くらいの組織。運用者は全員未経験からスタート。(2019年12月時点)
アド運用自体、かなり後発組だったと思われる。
あらかじめお伝えすると、今回のnoteでは
- 悪魔的な裏技
- 魔法のフレーズ
- 禁断のテクニック
のようなものは一切出てこない。基本的に社内用に作ったcrマニュアルの解説がメインとなる。
まずは守破離の守であれば、day1000CVくらいなら愚直に「守」だけやればいく。
「他社との差別化をどうしているか」のような質問儲けるが、あまり奇をてらうことはしておらず、基本に忠実にやっているだけだったりする。結果が出ない人ほど「主観、我流、思い込み」で運用している気がする。
「自分の感性を信じてはいけない」
これはかなり大事。スタートライン。異性にモテる服装をしたいなら、異性の店員さんに全身選んでもらうのが一番確度が高いのと同じ。
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【社内用クリエイティブマニュアルの概要】
- プレリサーチ
- メイン出稿媒体と目標値の設定
- ライバル横展開型クリエイティブ
- 王道勝ちパターンクリエイティブ
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クリエイティブマニュアルを作成した背景
- 目的は「未経験者でも初月から売上を発生させる」こと
- どのようにテストを進めていいかわからない
- cr作成で行き詰まった(もうアイデアが出ない)
- crの教育が難しい(マニュアル化できない)
- cr作成だけにリソースを割いて欲しくない
→外注、ツール、アルバイトで回せる体制を作り、新規事業にリソースを割きたい
など。
cr作成パターンは、大きく分けて2つ。
A:ライバル横展開型
B:王道勝ちパターン
未経験で運用をスタートする場合、A→Bの順に経験していく流れとなる。実際に作成の話をする前に、必ず行うべき
「プレリサーチ」
についてお話しする。
プレリサーチで行うことは以下3点。
- 案件,商品LPの把握
- 記事の内容理解
- 媒体リサーチ
当たり前の部分も多いので、簡単に説明する。
①案件,商品LPの把握
案件決定→媒体決定→クリエイティブ準備段階で
運用者がまずやるべきことは「商品LPの理解」
ここでのポイントは、
15分くらいでサーーーッと読む程度でok
「え?それでいいの?」と思うかもしれないが、この準備段階では以下6点を適切に抽出できていればOK。
LPのKWを全部抜き出せ、写経しろ。みたいなことを言う人もいるが、cr作成においては効率が悪いのでやらない。時間がある場合はやってもいいが、その時間をcr作成に充てるべき。この段階では上から下までざっくり把握する程度でok。理由は後ほど。
※案件選定者と運用者(cr作成者)が別の場合を想定している。記事⇄運用で分業している場合など。
②記事の内容理解
これもLPチェックと同じ要領で、以下8点の抽出作業。
自分で記事も書いている場合は不要。
crと記事は基本的にセットなので、記事作成した人が作った広告の方がハマる確率は断然高くなる。
③媒体リサーチ
これも当然の作業。自分が「どこに、誰に向けて」広告を出すのか理解せずに、刺さるcrは作れない。
簡略化したが、ここまでがプレリサーチである。
FB,Gunosy,SmartNews,GDN,YDN,LAP,popin,TikTok…。
メインとなる出稿媒体と設定する。
案件によって媒体も決まってくる。
テスト媒体を決めておいて、ここがスムーズにいくのが理想。
重要なのが目標値の設定。これを絶対やっておいた方がいいのに、割と皆やっていない印象。
仮に、
出稿媒体:Facebook
目標ROAS:130%
と設定した場合の目標値↓
フォーマットはなんでも構わないが、売上・CPA・LPinCPA・CPC…。実際に稼働した際にこれらの数値を追っていくが、「どこに力を入れるべきか」の判断がより正確になる。
※例
CVR:目標5% → 実測6%
MCPA:目標500円 → 実測700円
LPinCTR:目標20% → 実測25%
CPC:目標100円 → 実測200円
↓↓↓
CPCが大幅に上回っているため、crテストの優先度が高め。
これらの数字を朝昼晩3回細かく出しはじめたところで、売れ始めた。運用者なら当たり前だが、
全ての判断は数値ベース。
感覚的な判断は可能な限り0に近づける。
ここをおろそかにすると、本来なら案件を入れ替えるべき状況でも、無駄にcrテストにリソースを費やしてしまい、赤字が膨らむ(+時間を浪費する)と言った恐ろしいことが起こる。しかもそれに気づけない。
まとめると、
・実施前の目標値設定
・稼働後の数値測定
現状で成果が出ていない+数値測定していない場合、上記は必ずやってほしい。
ここまでが「準備」。以下より、cr作成パターンを説明する。
運用未経験者にまず作ってもらう型。
「とにかく競合の広告を見まくって引き出しを広げる」
王道勝ちパターンより優先度を高くしている理由はこれ。まずはインプットしないと始まらない。ということで最初は
①担当媒体のリサーチ
②いい部分を抜粋、仮説を立てる訓練
ひたすらこれを繰り返す。
↓進め方の具体例
【専用チャットでライバルリサーチ共有】
見つけた広告は仮説を交えて、専用チャットで共有している。1日平均5~10くらい。
「リサーチのクセづけ」はかなり重要
だと思っており、これさえ習慣になってしまえば、普段の生活で見落としていた点に気づけるようになる。
WEB広告だけでなく、街灯、つり革、TV、コンビニ、お店のメニュー、お菓子のパッケージからも「気づき」を得ることができる。
気づきの例↓
- 感情のコピーは手書きっぽくしている
- 強調したいテキストは見やすいよう枠がついている
- スマホでクリックしやすいよう右下にボタン配置(右利き)
- GIFのレクタン広告でも最後にCTAで呼びかけ
※レクタン広告:サイズが比較的大きめで正方形に近い形状の広告
※CTA:Call To Actionの略。「詳しくはこちら」など
など。これに日々気づいて検証に落とし込めるかどうかで、結果が全く変わってくる。言い方が悪いが、友人のしょうもないインスタのストーリーズからも何かしらの気づきを得ることができる。
「Aちゃん誕生日おめぴ♡」+ Aの画像ストーリーズ
↓
「Bちゃん泣いたTT」のお礼ストーリーズ
1.女子って大変だな
2.前にやってもらったからお返し
3.みんながやってるから仕方なく
大体1の感想で終わる。高校で反応が高い層は3。
売れる人は「じゃあどう訴求する?切り口は?」を日常的に考えている
逆にこういったアンテナが鍛えれられていない人は「情報の素通り」がかなり起きていると感じる。
というより、
9割以上の人は
「気づきアンテナOFF」
で日々過ごし地得るので、少し意識して生活するだけで、ある程度のレベル前はすぐにごぼう抜きが可能。
しかしもちろん気づくだけでは意味がなく、
人より多く気づき
↓
検証
↓
正確にデータ分析
↓
また検証
の実行スピードが早い人が結果を出している印象。
この、スタート地点にある「人より多く気づけるか」は、日々のリサーチ、アンテナの感度で決まるので、まずはひたすらライバルリサーチの徹底、クセづけをオススメする。
リサーチした広告は、以下のような形でスプレッドシートにまとめている。
社内リサーチだけではなく、定期的にクラウドワークスなどの外注に依頼し、一気に300個くらい広告を集めたりもする。
ここまでがライバル横展開の準備。インプット&インプット。ここからは実際に、広告をどのような流れで作っていくかを解説する。ライバル横展開型cr作成は、基本的に以下の流れで行う。
- 参考にするライバルを決める
- 参考ライバルの要素分解
- 欲しい要素&KWをピンポイントリサーチ
- 自社に落とし込む
1.参考にするライバルを決める
横展開するライバル広告を3つほどピックアップする。
慣れないうちは必ず、運用する媒体で配信されていた広告を設定するようにする。Gunosyで運用予定なら、Gunosyで流れている広告が良い。ストーリーズ広告を設定しても良いが、横展開の難易度が上がるため最初はオススメしない。審査基準も違う。
決める基準
- 露出が多い(リタゲで追われている可能性もあり)
- 媒体担当者からの共有
- 運用しているアフィリエイターが強いメディアのcr
①はそのまま。
露出が多い=広告費を使っている=効果が良い
しかし、中には黒字化まで1~2ヶ月以上様子を見る、みたいなメディアもあり、ド赤字で広告をぶん回して特単と予算を寄せてから利益をとりにいく、みたいなところもあるので注意。
②は確認できたらラッキーくらい。
ただし、まるっきり鵜呑みにはしない。
③が一番重要。
うちの場合10社ほどベンチマークしており、これは遷移先の記事の傾向を見れば判断できる。売れている所の記事はほぼ型化されているので、記事を見ただけでどこの会社の広告かはだいたいわかる。漫画記事の場合、絵柄が同じなことも多いのでわかりやすい。
見せられないが、億越え当たり前のメディアの記事リストを作って社内で共有している。力のあるメディアがテストしているクリエイティブはかなり参考になるので、
「この広告は◯◯(メディア)のとこの記事だから分析の優先度高め」
と、誰が見ても判断できるような状態にしている。売れていない、反応が取れていないであろう広告を分析しても時間を浪費することになってしまう。
2.参考ライバルの要素分解
ライバル横展開型のcr作成で次に行うのが、参考にするライバル広告の「要素分解」。
ピックアップした広告の広告文を、以下のような「売れる要素」に分解する。
売れる要素の例
- 権威性
- 解決策
- キモとなる成分
- 悩み
- 感情ワード
- 手軽性
- 社会的証明
- お得感
- ベネフィット
- 新規性
- ストーリー
- そのほかのあるある解決策
- 願望
など
これだけじゃわかりにくいと思うので、実際にIGのライバル広告を分解した例がこちら↓
赤枠部分を見るとイメージがわきやすいかと思う。
どのような構成要素担っているかを正確に把握するため、ライバルの広告文をKWごとに区切って要素ごとに分類。最初は難しいかもしれないが、次のフェーズで必要なのでなるべく細かく分類してみてほしい。最初は間違っていても問題ない。
余談になるが、人気案件・売れている案件は必ずこれらの「売れる要素」が詰まっている。
売れる要素が多い→簡単に訴求できる→売る難易度が低い
(CVRが高い)
要素が分かっていれば案件選びで失敗する確率も下がる。
アフィリエイト最大の強みは「自分で案件が選べること」なので、上記で説明した要素分解は、特に手を抜かずにやることをオススメする。
3.欲しい要素&KWをピンポイントリサーチ
この段階でようやく、本格的な案件リサーチをする。
必要な要素の洗い出しが完了したので、欲しい情報を限定してリサーチする。
プレリサーチで「LPはさっと読めばok」とお伝えした理由はこれ。
ゴールから逆算してリサーチするので、無駄が少ない。
仮説検証→不足部分をリサーチ→仮説検証
がオススメ。これもイメージがわきやすいよう具体例を用意した。
シミ訴求のオールインワンジェル(医薬部外品)
このように要素ごとに使えそうなKWを埋めていく。
KWが出てこない場合は、マンダラートをやってみたり、専用のツールを使ってみて欲しい。以下ツール例
- Googleトレンド
- Googleキーワードプランナー
- Yahoo!キーワードアドバイスツール
- キーワードウォッチャー
- おむすび
4.自社に落とし込む
ここまできたら、あとはライバル広告を参考に組み合わせるだけ。
審査に通るよう若干のテコ入れが必要な部分もあるが、以上が現在実施している「ライバル横展開型クリエイティブの作り方」となる。
ライバル横展開まとめ
リサーチ
↓
ピックアップ
↓
要素分解
↓
キーワードリサーチ
↓
組み合わせる
↓
完成
横展開について補足
文章を丸パクリするのは横展開ではない。
「抽象化」で要素に変換→自社運用に落とし込むのが横展開。この「抽象化」がキモであり、売れているストーリーズ広告やTVCM、オフライン広告、ほかのビジネスモデルも、抽象化を挟めばディスプレイ広告に落とし込むことができる。
(傍目からは全くの別物に見えると思うが)
横展開について簡単にまとめると、
「文章や画像をパクるのではなく、
構成(骨組み)をパクる」
ということ。
こちらはコンパクトにまとめる。
「億越えのメディアの記事は型化されておりわかりやすい」という話をしたが、これはcrでも同様。この誰でも理解できるような「型に落とし込む」「体系化する」「言語化する」などの能力は立派なスキル。
歌で言っても「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ」の形は何年も変わっていない。
記事や商品LPのテストと同様、FVのテストパターンは多い。
イントロの長短、いきなりサビから始まるなど。ジャンルや時代によって変化していくが、クリエイティブにも「ハズれにくい型」がある。
①要素組み合わせ型
アド運用における王道勝ちパターンの広告文は、だいたい以下どれかの構成になっているはず。
- 解決法+願望+権威性
- 簡単+願望+権威性
- 悩み+簡単+権威性
- 「オノマト+悩み部位」+権威者絶賛ケア+痛み部位ワード+年齢+長年悩んだ悩み+オノマトペ
- 権威者「私的(反社会性)」手軽性+解決策
これは競合調査をしっかりやっていれば誰でも見えてくるはず。1~3が超王道、4,5が流行っている勝ちパターン、みたいなイメージ。
特にアドネはほぼこの構成。
記事下にこのような広告が出る。配信面によっては縦3つが“全て同じ構成”なんてことも。
以下、具体例↓
1.解決法+願望+権威性
・広告文
シミ専用!?医薬部外品のドクターズコスメで“ノーファンデ”肌に?臨床試験済みの●●美肌術が凄すぎた…
▼要素別KW
解決法:医薬部外品のドクターズコスメ
願望 :ノーファンデ肌
権威性:臨床試験済み
2.簡単+願望+権威性
・広告文
「サッと60秒ケア」でノーファンデ若見え肌に?美容家も毎日使うシミ専用の医薬部外品が凄い
▼要素別KW
簡単:「サッと60秒ケア」
願望:ノーファンデ若見え肌
権威性:美容家、医薬部外品
3.悩み+簡単+権威性
・広告文
「8mmのシミが…」簡単すぎるシミ専用の医薬部外品を試した結果…
▼要素別KW
悩み:「8mmのシミが…」
簡単:簡単すぎる
権威性:シミ専用の医薬部外品
4.「オノマトペ+悩み部位」+権威者絶賛ケア+痛み部位ワード+年齢+長年悩んだ悩み+オノマトペ
・広告文
「頬のべっとりシミも…」美容家絶賛ケアで47歳主婦のシミ・くすみもつるんっ!
▼要素別KW
オノマトペ:べっとり、つるんっ!
悩み部位:頬のべっとりシミ
権威者:美容家
年齢+悩み:47歳主婦のシミ・くすみ
5.権威者「指摘(反社会性)」手軽性+解決策
・広告文
美容家「そのシミケア間違ってるから」サッと60秒でできる洗顔後のとある習慣とは…
▼要素別KW
権威者:美容家
指摘:そのシミケア間違ってるから
手軽性:サッと60秒
解決策:洗顔後のとある習慣
※レギュレーション次第だが、権威者の部分に、芸能人や有名な先生が使えると非常に強い。
これらの勝ちパターンには必ずと言っていいほど「権威づけ」が入っている。よって案件選定、リサーチする際は「権威性」に特に注目してみると、広告文や記事も作成しやすいと思われる。
<権威性について>
芸能人、医学誌、医師、専門家、医薬部外品、TV、雑誌、〜ランキング、科学雑誌、エビデンスのある実証データ、権威あるメディアなど、権威づけで使えるデータが多ければ多いほど、crの切り口の幅が広がる。つまり、売りやすさにつながる。
人は権威が大好きなので、その辺のワンカップおじさんから健康についてアドバイスされても響かないが、白衣を着ている人のいうことは無条件で信じたりする。
ここが、案件選びの最大のポイントであり、「その案件がどれだけ権威という服を切れているか」を見極めることが重要。
②その他、よく使われる簡単フレームワーク
【リアルイメージ型】
1ヶ月2980円!
↓
1日たった96円!
の方が安く見える。web広告以外にもTVCMや雑誌広告、交通広告にもよく使われる。
逆転させると問題提起をより協力に見せることも可能。
1日8時間以上ファンデつけてる
↓
年間3500時間も肌にダメージを与えています
【ターゲット絞り込み型】
40代女性のあなたへ
↓
46歳専業主婦のほうれい線が気になるあなたへ
対象を限定する型。潜在層に行動してもらうためには「自分ごと化」してもらう必要がある。デモグラだけでは広すぎるのでデモグラ×悩みのかけ合わせ
【指摘型】
筋トレ後はプロテイン
↓
筋トレだけじゃ何年もかかりますよ?
悩みや課題を「ハッ」と気づかせるフレーズで言い当てる型。上から目線、嫌な奴に成り切って指摘するのがポイント。やりすぎは不快になるので注意。芸能人、権威のある人物からの指摘がベスト。
<クリエイティブマニュアル補足>
今回、画像や動画についてはTwitterの猛者たちが散々解説してくれているというのもありあまり言及していない。というより考え方は基本的に広告文と同じ。
画像にどのような要素が入っているかを分解し、自社の運用に落とし込む。
「赤枠で目立たせる」「絵文字を使う」などの一時的なテクニック的なところを話してもしょうがない。
基本的にレポートを出せる媒体の場合、CSVを出して分析する。
レポート例↓
消化金額の多い順に分析していくのがセオリー。
【ヒートマップ解析】
テストしたcrをマッピングして分析する方法。
縦軸:消化金額
横軸:CTR
crごとのCV数での判断が理想だが、タグの乖離などがあるので全媒体の統一指標として使用できる消化金額を採用している。
CTRは媒体によって基準値が異なるので、主要媒体ごとにヒートマップを作成↓
CTRが高く、かつ消化金額の多いcrの傾向が視覚的に判断できる。逆に、消化金額は伸びない(CVにつながらない)が、CTRだけ高い広告も一目でわかる。
「CTR高いけど全然CVつかないから停止」
で終わらせている人が多いように感じるが、これがかなりもったいない。
CTRが高い
↓
ユーザーが知りたい情報である可能性が高い
↓
記事に期待した情報がなかった
(広告と記事の乖離)
↓
離脱
つまり広告に合わせて記事を修正していくことえ、消化だけしてしまう問題児クリエイティブも、ぶち当てクリエイティブに進化させることが可能。
ここまでで、「クリエイティブテストの大枠の考え方」はお伝えできたと思う。
まだ深掘りできる部分はあるが、ゼロベースでcrに苦戦しているなら、まずは
- ライバル横展開型クリエイティブ
- 王道価値パターンクリエイティブ
- 徹底分析
でテストを進めてみて欲しい。
おまけ①「アド運用Q&A」
今回のnoteを作成するにあたり、月間億以上作っている社内の運用者に取材を行ったので、その一部をQ&A形式でご紹介する。
Q1.初動のcr入稿数は?
A1.画像2 × 広告文×5 =合計10個ほど
・画像 → CTRに影響大
・広告文 → CVRに影響大
なので、媒体によって画像と広告文のテスト優先度が変わる。そもそもCTRが出ないとimpがでず、テストが進められない媒体は画像の優先度高め。低CTRでもある程度消化が見込める媒体は、逆。
Q2.最近の爆上げクリエイティブの特徴は?
A2.
・新事実で興味を引くようなもの
・問題を解決できている人とそうでない人の違いや共通点に言及したもの
・顔にフォーカスした画像の場合、真正面より左右どちらかに向いているものがCTR高め
→小画像のすぐ隣に広告文が出るため、画像の人物が話している風に見える
・審査に通るのであれば…過激なcrの方が取れる
・ユーザーにハッと気づかせる系のcrがCPAが良い傾向にある
Q3.失敗談があれば教えてください
A3.「自分を信じてはいけない」
完全オリジナルで、ただ面白そう(CTR上がりそう)だからとユーザーを置き去りにしたcrは失敗だった。
自分地震の趣味、趣向が強いcrを作っていて全く当たらなかった。
A3.「解決要素がゼロだと爆死」
悩みレベルの低すぎる人も集まってしまうのでCVR悪化。
「〜〜判明!」の鉄板ニュース系テキストも、原因だけが判明しててもCVはつかない。
※例
すぐ太る人の共通点は…
→ただ知りたいだけの人がきてしまう
A3.「予算上限“なし”を信じてはいけない」
1ヶ月かけてようやく黒字化してきたタイミングで、
day50に抑えてくれと獲得数にキャップがかかった。
明確な数字をあらかじめ確認しておくべきだった。
おまけ②「cr系のツイートまとめ」
「広告文に絵文字を入れたらCPCが下がった」
というと、いかにも小手先のテクニック感があるが、もう少し深掘りすると
「よりユーザー目線の投稿に寄せたテキスト」であると言える。
つまり、自分たちがどういった広告を出しているかを深く理解する必要がある。
ターゲットリサーチで割と重要だなと思っているのが「あるある」の理解。
例えば薄毛悩みあるあるなら
・帽子を脱ぐのに勇気がいる。
・ボウリングが苦手(後頭部に注目されるから)
・生え際に視線が集中してる(気がする)
など。悩んでいる人“だけ”が共感できる「あるある」は、記事内で強力な武器になる。
クリエイティブnoteの準備で社内のプロ達にヒアリングしたところ、「連想させる」が1つの共通KWとしてあがってきた。
薬機NG表現「消えた!痩せた!」などのストレートな言い切り表現よりも、ユーザーに想像させる要素を含んだ広告の方が反応が良い傾向にある。
「何を想像させるか」が重要
おまけ③「効果良好crのテスト結果」
単体で100万以上消化している広告の管理画面を公開する。
基準となるCTRの数値感などで参考になれば。
タグは乖離があるので、管理画面上のCVは無視してほしい。
【事例①】
商材内容:メンズ用スカルプシャンプー
配信媒体:Gunosy
稼働期間:11/12〜12/5
獲得件数:862件
CPA :8,457円
広告文:「炭酸」で頭を洗ったらまさかの結末が…48歳ハゲ親父に称賛の嵐!
▼運用者考察メモ
「炭酸」で頭を洗ったらまさかの結末が・・・49歳ハゲ親父に賞賛の嵐!
■スカスカの髪を後ろに流している画像
CTR 3.05%
・スカスカの髪を後ろに流すような髪型はハゲという事実に抗っている感じで潜在層にも刺さる。
・まさかの結末が…は好奇心をくすぐる
・賞賛の嵐!もポイントらしい。TV風のコピー
・媒体に馴染むのと目を引くから。
■赤ちゃん入浴画像
CTR 2.12%
・赤ちゃんは可愛いのでついつい目にいっちゃう。人間の性。「3Bの法則」美人(Beauty)・赤ちゃん(Baby)・動物(Beast)
・泡を頭に乗っけてる赤ちゃん画像なので商品との関連性もあり、商品紹介の段階になっても潜在的に泡が刷り込まれているため、抵抗なく受け入れられる
・9割の人が知らない、はどの媒体でもテッパン
以下、悪かったCR
・動物の入浴画像。赤ちゃんであたるなら子犬とか小猿とかでも当たるのでは!?と思ったが当たらず。やはり人間でないと。
・ハゲの画像でもツルツル頭は全くダメ。薄毛になったからツルツルにする潔い人はそもそも悩んでない。故に刺さらない。
・美女入浴画像でも綺麗な入浴シーンはCTR高くない。画質粗めの素人感、盗撮感が男心をくすぐるらしい。
【事例②】
商材内容:シミ訴求のオールインワンジェル
配信媒体:Gunosy
該当期間:2019/11/26〜12/5(稼働10日)
消化金額:4,128,547円
CV:559件
CPA:7,385円
※実際の広告は非公開
配信媒体:popin
該当期間:2019/11/28〜12/5(稼働8日)
CV:143件
CPA:9,090円
※実際の広告は非公開
▼運用者考察メモ
・直近当たり易いのは2パターン。
権威性がありそうな人(医師っぽい、学者っぽい)が語りかけてくるような手の動きをした画像か、 キレイ目でもおばあちゃん(権威ありで語りかけてきそう、笑顔+色付き背景)。
・相変わらずゴリゴリのビフォーも強い。
・タイトルに関しては『9割が知らない』などの意外性や、『皮膚科医が◯◯』権威系+他要素が入っているとほぼ当たる。
・商品を使っているからキレイと思わせる美人画像
・悩み+「解決策+秘匿性」〜判明の鉄板パターン
・権威ありそうな男性画像+悩み+解決策+権威性+反社会性
・権威ありそうなおばあちゃん+具体的数値+意外性+焦らし
・強烈めのB画像+意外性+解決策